2013年11月14日木曜日

 萩原富士夫×さそうすなお Oval Dance series vol.1 「目まいをする準備」

ダンス作品を上演します。
黒沢美香&ダンサーズで活躍中のさそうすなおさんと、新しくダンスユニットを作りました。

萩原富士夫×さそうすなお  Oval Dance series vol.1
 「目まいをする準備」

テーブルには、熟した果物、
書きかけの手紙、拡げられた地図。
取り替える事の出来ない記憶を窓から投げ捨てて、散歩に出かける。川へ。
一人は右岸。一人は左岸に分かれて歩く。
向こうに見える橋で落ち合おう。F・H

見えない文章というものがあって、それを二つの違う言語に翻訳し、声に出して読み上げ、互いに聞き合う。そんなような作業をからだでやっていく。何度も何度も。鳥類と魚類ぐらいにかけ離れた生態に従い、泳ぎ、囀り、歩き、張り付いて、空白の輪郭をなぞる。何度も何度も、なぞっていく。
二本の軌跡が隆起して、いつかその間に川が流れ出しますように。S・S


日時 11月30日(土) 19:00
   12月1日  (日) 15:00/19:00
   *各回30分前に開場

料金:予約1,000円
   当日1,500円

場所 StudioGOO   世田谷区粕谷4-7-19 

予約・問い合わせは萩原まで。fujioh3776以下アットマークGメールで。

よろしくお願いします。





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2013年11月13日水曜日

Ashio Project 野点/足尾 無事終了しました。一座建立。

11月9日土曜日。足尾の砂防ダムの向こう側の河原での野点は無事終了しました。
東京出発の頃は曇天。しかし日光道を降りた辺りから時折晴れ間が。
本山精錬所あたりで車を降りて、渡良瀬川沿いをしばし上流に向かって歩く。
龍造寺で、精錬所からの有毒ガスで廃村(1901年)となった松木村の無縁仏と
鉱山を渡り歩いて足尾で死んでいった渡り抗夫の墓に合掌。
銅親水公園に到着した後、みなで資材を持って丘を越える。
長靴を履いて、小川を渡る。いつの間にか吹き出した強風の中での会場の設置。
抹茶は飛ぶし、河原に敷き込もうとしたスタイロフォームは宙に舞い、終いには用意したカセットコンロが不調で点火せず。
叫び声と、笑い声。危機感となるようになれという愉快な気分が湧いてくる。
参加者全員で、シートを抑え、石を重しの替わりとし、河原の石を集めて竈をつくり、そこにライターで着火したガスコンロを置いた頃から風が落ち着く。
ヤカンに参加者がそれぞれ持ち寄った水を入れお湯を沸かした。
私は旧古河庭園で拾った三つの小石を持って河原を歩く。
気に入った石を拾い上げて替わりに東京から持ってきた石をその場に置いた。
松木川の流れで小石を清める。
全員、即席で作られた緋毛氈の上に着席。末席には村田さんが連れてきたバービー人形。まるで依り代のよう。緋毛氈も一つの結界のようだ。
村田いづ実さんが、心を込めて一椀づつ茶を点ててくれる。
空を見上げながら、一口。川の流れの音をを聞きながら一口。足尾の荒涼とした山々を眺めて一口。冬の寒空の下の暖かいお茶は甘露でした。
全員がお茶を頂きお手前は終了。そのまま会場で足をくずしお弁当の時間へと思ったとたん空からぽつり、ぽつりと雨粒が。山の天気は変わりやすい。大事になる前にと、スピードで撤収作業。奇跡的な凪と晴れ間の間に野点は行われたのでした。
写真とムービーはいずれ作品化して公開する予定です。
撮影を担当していた矢尾さんのコメントによれば、茶席に座る参加者は筏にのって漂流している人のようであった。しかもみなお辞儀をして笑っている。とても不思議な集団に見えたとのこと。

様々なアクシデントをへて、いや困難を皆で通過したが故に、主客合一の一座建立がなされたと東京に帰ってからもしみじみ思ってます。写真は足尾から持ち帰った三つの小石。
この小石は足尾鉱毒事件で消滅した旧谷中村・現渡良瀬遊水池に旅します。
もちろんそこでも私達は一座建立を試みます。

2013年11月6日水曜日

Ashio Projectの為のノート3 三つの小石のパフォーマンス



昨日私は、旧古河庭園で、三つの小石のパフォーマンスを行いました。
庭園内に敷き詰められている石の中から、これはと思う形と大きさの石を拾い上げ、近くのつくばいの水で洗い清めました。写真がその小石です。なんの変哲もない石ころですが、この三つは足尾の山に旅します。九日に行うAshio Project 野点/足尾の会場となる河原で、私はあらたに三つの小石を拾い上げます。替わりに写真の小石を拾い上げた場所に置いていきます。足尾の小石は、渡良瀬遊水地の谷中村があった場所に旅をします。そこで谷中村の石と交換します。谷中の石は東京に旅をして古河庭園に置かれることになります。
三つの場所の三つの石を交換するこのパフォーマンスは、田中正造の遺品を見た経験から生まれました。遺品についての投稿は以下リンク先。

2013年11月5日火曜日

Ashio Project  野点/足尾 


足尾銅山。渡良瀬遊水地(旧谷中村)。旧古河庭園。複雑に絡み合った歴史をもつこの三つの場所の風景と記憶をつなぐフィールドワーク。今回は栃木県日光市足尾町で、野点を行います。場所は渡良瀬川の上流、足尾砂防えん堤の向こう側、九蔵川、松木川、仁田元川が合流する地点の河川敷で、足尾の山々を望みながら行います。山の向こう側は、日光中禅寺湖。この時期は紅葉の真っ盛り。しかし足尾の山々は、かつて足尾銅山精錬所から排出された、有毒物質を含む煙によって樹木は枯れてしまい表土が流出し岩肌が露出しています。現在植林活動が進められていますが、いったん失われた緑を復活させることは、そう簡単にはできないようです。砂防ダムが建設されたのも、樹木の消失による山肌の露出が原因となり、雨水によって表土が崩れておこる土砂災害を防ぐため。山が荒れると、川も荒れます。

Ashio Projectは、2009年より始めた萩原富士夫の個人的フィールドワークに賛同した、
村田いづ実(パフォーマー・アーティスト)矢尾伸哉(アーティスト)両名が2012年に加わることで発足したフィールドワーク型アートプロジェクトです。

幾つかの野外実践を試みながら作品を制作していきます。

Ashio Project 足尾/野点 2013年11月9日 正午

場所栃木県日光市足尾町

コンセプト/萩原富士夫 野点/村田いづ実 アーカイブ/矢尾伸哉

お茶会は予約してくださればどなたでも、無料で参加できます。しかし現地は東京から遠い場所です。交通費、ガソリン代がかかります。ちょっとした山道を歩きます。沢歩きではありませんが、小川を渡ります。防寒着、丈夫な靴が必要です。ちょっとした冒険です。興味のある方は是非、私に連絡ください。fujioh3776以下@Gメールで。
行程や装備についてガイダンスいたします。
鉄道利用の場合は渡良瀬渓谷鐵道終点の間藤駅着10時57分着となります。事前に連絡してくだされば迎えに行きます。自動車は、銅親水公園内に無料駐車場があります。
緑の矢印の地点で、茶をたてます。

何回か野点の稽古しました。(私自身はまったくの素人なのですが、村田さんはお茶の師範でもあるのです。)茶碗を持つ両手が空の底にあり、すうっと喉を通り胃に落ちていく暖かいお茶が、更に大地に向かって浸みていく、そんな感じを得ることがありました。


航空写真でみると足尾の山が他の山と比べて荒れているのがわかります。
緑の矢印の地点で茶を点てます。




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